2008/04/14(月) 23:20:10 [国際時事]

 

 
調査捕鯨船への「妨害」一考

20080414006
調査捕鯨、予定の6割止まり=クロミンク551頭−水産庁
 水産庁は14日、南極海で実施した2007年度の調査捕鯨について、実際の捕獲頭数が551頭と、予定(815−985頭)の6割程度にとどまったことを明らかにした。捕鯨に反対する米国の環境保護団体「シーシェパード」などによる妨害行為で、捕獲を中断されたことが響いた。当初は、クロミンククジラを765−935頭、ナガスクジラを50頭捕獲する予定だったが、妨害を受け、クロミンクは551頭、ナガスはゼロとなった。時事通信 4月14日付記事より参照のため引用/写真は「調査捕鯨 計画の60%程度に」と報じるNHKニュース4月14日付記事より参照のため引用

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「妨害」の実態は「テロ」行為

 捕鯨の「賛」「否」については、国際捕鯨委員会(IWC)で意見は分かれているが、しかし、日本の調査捕鯨活動は、国際法で認められた公式の活動であった。しかし、今般の南極海における日本の調査捕鯨活動は不振に終わったようだ。その不振に終わった要因として、米国の環境保護団体「シーシェパード」などによる、度々の「妨害活動」による中断が響いたことが報じられている。

 メディアは「妨害活動」と報じるその事例には、「妨害」と謂うよりは、明らかに「テロ」と認識すべき実態があった。これは多くの読者が指摘されたことでもあり、小ブログも先稿にその実態について記して来た。忽然と現れた“環境保護団体”の船から、劇物や危険物が日本船に投げ込まれたことは記憶に新しい。その襲撃によって、日本の調査船では実際に負傷者が出ている。特に、多数投げ込まれた「酪酸(らくさん)」。これを身に被れば、処置が遅れた場合は失明することさえ有り得る。このような事件が重なっていたのである。
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国際社会に「政治の顔」が見えない日本

 このような行為は許容されるものではない。捕鯨に対する「賛」「否」の議論とはまた別次元の「暴力」である、と。これらの日本調査船に対する「テロ」行為におよんだ団体にもメール、書簡を送付し、また、国民の1人として、厳正な対処を求める声を送らせていただいた(「主な関連記事」の項にリンク添付)。この時は、多くの良識のみなさまも政府に意見を送られたことと思う。

 その後はどうか。報道によれば、『海上保安庁などは、シー・シェパードによる一連の妨害行為について威力業務妨害などの疑いで捜査を進めることにしています』(NHK)とのことだ。「なんだかなあ」。人間が出来ていない筆者の最近の口癖だが、どうも動きがいささか緩慢(かんまん)に映る。まだ、初期の域を出ていないのだろうか。議論が分かれている国際捕鯨委員会(IWC)でさえ、これはだめだ、と「シー・シェパード」に対する非難決議まで発効しているにもかかわらず。また、自国民が危険なテロ被害に遭ったにもかかわらず。ここでも、日本の「政治の顔」がなかなか見えて来ないのである。
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政府宛意見書

 再掲で恐縮だが、当時の書簡をあらためて報告する。以下、

(以下、意見書)

 拝啓 日本の調査捕鯨船・日新丸がこの3月3日午前7時10分(日本時間)より約1時間にわたり、米環境保護団体シー・シェパードの所属船・ステープ・アーウィン号に乗り組んだ多数の捕鯨反対者により、酪酸とみられる液体入り瓶、および白い粉の入った袋を計100個以上投げ付けられ、日新丸乗員に負傷者が出た、との事件が発生したことを報道によって知りました。

 申し述べるまでもなく、投げ込まれた薬品のうち確認されている1つの酪酸は、人体にかかれば失明や火傷をおよぼす危険性を有する薬品であり、報道からは、ステープ・アーウィン号に乗り組んだ活動家らが、あらかじめこの薬品を、しかも、大量に準備していた形跡が十分に伺えます。以って、かくなる行動は計画的なテロ行為であることは明らかです。

 まして、それらを封入したビン等が調査船の船体に当たり、砕けて海中に飛散した場合を考えれば、海洋汚染に通ずる行為であり、とても環境団体を自称する団体のなす業とは認識し得ません。また、同団体の同船の船長による、日本調査船の位置を追尾するために、事前に何らかの方法で発信器を取り付けている旨の報道がAFP通信(2月26日付)で報じられています。これらの不法行為は、あらかじめ、戦闘能力を保有しない日本の調査船を付け狙った攻撃と認識した方が事の次第が判りやすく、これらは、捕鯨の「是」「非」議論とはまったく別次元の犯罪行為と認識すべきです。

 今後も、斯様な行為が重なり、あるいはエスカレートし、この先では、日本の調査船に死亡者が出るケースさえ懸念せざるを得ません。調査船の乗員諸氏もまた日本国民です。日本国民の安全と生命と財産を守るべく、また、日本の尊厳と名誉を守る政府の立場から、福田総理、町村官房長官をはじめ、政府諸賢におかれては、遺憾の意や抗議を表明されるに留まらず、かくなるテロ実行犯、およびその母体である自称・環境保護団体に対する起訴を視野に入れた対応に出られることを強く切望いたし、以上、僭越ですが意見書とさせていただきます。謹白

平成20年3月3日

神奈川県藤沢市 ○○○○

(以上、意見書)
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 事例は異なるが、チベットの惨劇に対する対応と、その弱腰のスタンスがよく似ている。国際社会の理解を得るべき場面でも発言できずに過ごす。これでは、日本はあらぬ誤解を受けかねない。一国の政府として、毅然と「なすべきこと」はなし、言うべきは言う。それで、はじめて「政府」と謂えるのではないか。
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■ 主な関連記事:

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 博士のフォーラムの活動
テロ事件「政府への意見書」
意見書「米環境団体宛」
米団体への意見書

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【筆者記】

 ふと、小稿を書かせていただいた背景には、来る4月26日の長野の「灯火リレー」があった。チベットサポーターや日本人支援者が、あらぬ事件に巻き込まれた場合に、現今の政治は、真に対処できるのだろうか、と。その懸念がつのる。杞憂であればよいのだが。

 捕鯨について。先稿に申し述べたとおり、筆者の世代は鯨(くじら)を食べたことがない。だが、マルコ老人や西村幸祐氏の「ウルトラ怪獣」世代や、諸先輩の世代の話をうかがえば、「鯨(くじら)の竜田揚げ」や「甘露煮」などを学校給食で食べた、との話をよくうかがう。戦後、さほど年月を経ていなかった時代にあって、育ち盛りの子供たちにとっても、鯨(くじら)は貴重な蛋白(たんぱく)源の1つであった。また、「鯨さんに感謝して食べましょう」「いただきます」と教わりながら食された。すなわち、子供たちの心の教材でもあった。

 授業で使うクレヨンや色鉛筆、水道の近くに置かれた石鹸、その他の日常品にいたるまで、鯨は、あらゆるところで「何1つ無駄なく」、庶民の生活を支えてくれたそうだ。「鯨さん、有難う」との作文を書いたり、鯨の絵を描いて飾るなど、「鯨」を通じて、子供たちの「感謝」の心が育った。その光景がしみじみと想像できる。捕鯨に関して、議論である以上は「賛」「否」はあって然るべきだ。だが、ビーフを食する国々に、こうした「1つも無駄にしない」、有難うと「感謝する」の文化があるか、どうか。機会を設けてじっくり尋ねてみたいと思う。

 感謝といえば、最近手にしたある人の詩集にこうあった。教わる思いである。「かんしゃく(癇癪)の「く(苦)」という文字を取るとかんしゃ(感謝)になります」と。短稿にて。
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2008/04/14(月) 12:39:27 [チベット]

 

 
14世のシアトル発言に思う

20080414005
ダライ・ラマ14世「暴力拡大なら辞任」 米・シアトルで会見 
ロサンゼルス=松尾理也】 米国を訪問中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は13日、滞在先のワシントン州シアトルで会見し、チベット騒乱について「暴力が制御できなくなれば、私の持つ選択肢は辞任だけだ」と語り、今後の状況によっては引退することも辞さない考えを改めて強調した。中国当局によるチベット騒乱鎮圧後、ダライ・ラマが訪問先の米国で会見したのは初めて。

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 会見後に配布された声明文では、「われわれの戦いは中国政府の一部の指導者とのものであって、中国の人々と戦っているわけではない」と強調。そのうえで、もし中国政府が取り締まりを中止し、警察や軍を引き上げるならば、チベットの人々に抗議をやめるよう説得する用意があるとした産経新聞 4月14日付記事より参照のため引用/写真は同記事より参照のため引用
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ダライラマ14世の遠謀深慮か

 暴力の否定。非暴力の訴え。仏教者の立場から発するごく自然な主張と謂えるのかもしれない。だが、凡人のためか、ダライ・ラマ14世の一連の発言に、「なんだかなあ」、といささかの違和感を憶える点はある。いわゆる、チベットの独立や分離を求めず、とする点。また、北京五輪を支持し、同国には開催の資格がある(いずれも要旨)としている点だ。

 だが、逆の視点から考察すれば、「別の答え」が得えられそうだ。たとえば、現時において、ダライ・ラマ14世が、チベットの独立を主張し、且つ北京五輪の開催資格はない、と世界に向けて発すれば、チベット自治区、および周辺各省のチベット人居住区に対する、中国共産党の軍圧はことさらに強まるのかもしれず、ひいては、強引な手法で、チベット人の絶滅に乗り出すかもしれないのである。

 すなわち、チベットが早々にこの地上から消えてしまう。その危険性がある。ゆえに、その事態だけは先ず回避すべし、とのダライ・ラマ14世の遠謀深慮が見えてくる。凡人ゆえに、発言に対しては、その程度の解釈しか出来ないが。数々の発言に、ダライ・ラマ14世の立場をこのように拝察する1人である。
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チベットの現状と日台の未来

 チベットは、物理的には、台湾、日本から遠く離れてはいる、だが、現在のチベットの惨状は、台湾、日本の「未来」とごく隣り合わせの「現実」と謂える。その「現実」を、わが身にふりかかる未来の懸念として認識すれば、本来、台湾、日本がとるべき道筋、政策の方向性は明確になるはずだ。だが、何を恐れてか、政治家諸氏の多くはそれを語ろうとはしない。この日本では、良識の方がよほど正直で、且つ、事の深刻さに目覚めていると謂えよう。
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■ 主な関連記事:

署名「チベット弾圧への抗議」
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野口健「チベット発言」一考
砲丸「北京五輪提供しない」
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【筆者記】

 表題の『もし中国政府が取り締まりを中止し、警察や軍を引き上げるならば、チベットの人々に抗議をやめるよう説得する用意があるとした』との発言は、しかし、中国共産党が暴虐を止まない限りはチベット人は抗議を続ける。その意志を示した発言として映る。五輪開催までの4ヶ月弱の間。屈中国を除く各国から抗議の声は続くだろう。以って、中国共産党の悪逆非道は、時間と共により広く知れ渡ることになる。中国共産党は、抗議に対抗した虚構宣伝を重ねるほどに、その足場を弱めるはずだ。もし、北京五輪開催がキャンセルになれば、また、この貴重な期間は得られなかったはずだ。
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2008/04/14(月) 02:56:43 [読者便り]

 

 
フリーチベットステッカー

20080414001
フリーチベットステッカー
【フランス在住の読者の方より】 在仏であるため、長野での反中共、フリー・チベット運動に参加できませんので、この問題を世間に皆の目に広めて頂きたく、(今回の出来事でかなりの日本人が目覚めて『真の日本独立』をする為にも)大した物ではありませんが、ポスターのようなものをと、彼方此方に貼れるステッカー用にロゴの様な物を作りましたのでそれらを広めて頂けたらと思っています。フランス在住の読者よりいただいたメッセージより/写真は「2008年4月13日、渋谷で行われたチベット支援デモ行進の参加者」AFP
4月13日付記事より参照のため引用
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みなさまのお手許に

 フランス在住の方から、手製のステッカーを数種いただいたので、小稿の場を借りてみなさまに報告する。趣旨の通り、フリーチベットの一環として、共有していただければ幸いである。

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20080426003
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 いずれもClickで拡大できる。併せて、読者のみなさまが力作をお持ちであれば、ご提供をお願いする。以上、短稿報告にて。
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各地で犠牲者追悼

 ご存知の通り、この4月13日は、各地でチベット追悼の催しが行われた。灯火リレーの出発地として予定されている善光寺(長野県)では、市民団体「チベット問題を考える長野の会」の企画により、善光寺を含む僧侶10人も加わり追悼式が行われたそうだ。同会がこれまでに把握した『暴動による死者177人の命を表したろうそくを用意。仏教の「調和」を示す円形になるように約60人の参加者が1本ずつ持ち、濡れる地面に静かに置いて手を合わせた』(「産経新聞」4月13日付)と報じられている。

 また、渋谷(東京)でもチベット犠牲者の追悼が行われ、『チベットを支援する活動家ら約200人がロウソクを手にデモ行進を行った』(「AFP」4月13日付)。これ
に際して、『行進が始まる前、主催者の1人は参加者らを前に「この行進とわたしたちの祈りをチベットで亡くなった方々に捧げたい」と語った』(同)と。また、『数人の在日チベット人も参加し、集まった人々に感謝の意を示した。また、チベット人参加者の1人は、チベット人のためだけにではなく、チベットでの出来事を知らない中国の一般の人々と、「悪行」を行っている中国政府のためにも祈ろうと述べた』(同)とある。

 もとより、自己正当化の宣伝に明け暮れる当事者の中国共産党当局と、その顔色を窺(うかが)うかのどこかの国の政府要人からは、追悼の言葉すらない。しかし、日本国民の間では、チベットの惨劇に心を痛め、追悼の意を表す人は後を絶たない。チベット、および世界中の人々に、日本人のこの心が伝わり、共有できることを願う1人である。
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【筆者記】

 短稿の報告にて失礼する。筆者からも哀悼の意を捧げる。これまでに掌握されているだけでも177人とは、大変な人数だ。しかし、この人数もまた氷山の一角と謂えるのかもしれない。戦時下にはない国の中で、講義デモを行っただけで、これだけの人々が命を落とす。異様である。五輪開催の資格はとっくに自動消滅している。また、今般も大規模な軍隊を派遣し、これほどの殺人を指揮した指導者を「国賓」として迎える理由は存在しない。殺人指導者の来日に反対!
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